
魚釣りをしていて、ふとまわりを見てみるとクーラーボックスをつかったりバケツに入れていたりと、みなさん実に色々な方法で魚をキープされています。
中にはせっかく釣った魚が傷ついてしまっていたり鮮度が悪くなっている方もいらっしゃいます。
という事で今回は、苦労して釣った魚を釣り場から家に持ち帰るまでのキープ方法をご紹介です!
みなさんご自身の釣り方を思い浮かべてみて、ピッタリの保存方法を見つけてみてください。
苦労して釣った魚を適切に保存しておけば、きっと何倍も美味しく食べれる事でしょう♪
はじめに
まずは簡単に保存のNGパターンと魚の特性を理解しておくと便利ですよ♪
現地の保存でやりがちなNGパターン
【常温で放置】
→冬場、短時間であれば問題ありません。
夏場なら30分~1時間ほどで魚がダメになり、涼しい場所でも半日もすると異臭がしてくる事もあります。
そもそも魚自体が乾いてしまうのでダメですね…
特に回遊魚は傷みやすいので要注意です!!
【氷に直置き】
→魚の身が氷焼けしてしまいます。
氷焼けとは魚の体内に氷の結晶ができてしまうせいで、魚の細胞が壊れてしまいパサパサな食感になるので一気にマズくなってしまいます。
個人的な感想はマズくなるというより、旨味がなくなってしまう感じです。
【釣れた魚を海水の中に長時間放置】
→魚を〆て海水で保存する場合です。
魚はもともと海の中で生活しているので、これも短時間ならOK。
しかし海水の温度は結構高く、真冬でも10℃以上あります。
真夏だと30℃近くになる事もあり、そんな温度では例え水の中でも魚を保存するのは難しいです。
釣れた魚を現地ではこうして保存
なんとなく保存のNGパターンがわかったところで、続いては現地で魚を少しでも新鮮な状態で保存するための方法です。
おおまかに言うと【活かして保存】と【〆て保存】の2パターンの保存方法があり、それぞれ保存のための道具も併せて紹介していますので是非参考にしてみてください!
活かして保存する
魚釣りをしている間は活かしておいて、帰る直前に〆るので鮮度は高い状態で保存できますが活かしたまま長時間キープするのは結構難しいです。
※後述しますが、ストリンガーやスカリで活かしておくならさほど気にする必要もありません。しかしバケツやバッカンで活かしておくには下記のポイントに注意しましょう。
魚を活かしておくためには次のポイントに注意!!
【酸欠】
→エアーポンプを使用するのがベストですが、なければこまめに水を変える事で酸欠を防ぐ事ができます。
【水温の上昇】
→氷を準備。通常の氷だと海水濃度が下がってしまうので、保冷剤やペットボトルを凍らせた物を使用するのが良いです。※入れすぎによる極端な温度低下には注意してください。
【ストレス】
→小さな入れ物に沢山の魚を入れすぎてしまうとストレスで死んでしまいます。少しでも大き目の入れ物に入れておきましょう。
上記のポイントをしっかり抑えておければ、現地でも魚を生かした状態でキープしておけます。
釣りが終わるまで活かしておいて帰る時に〆て帰ると鮮度が高い美味しい魚が食べる事ができますよ♪
また魚によっても弱りやすい魚・弱りにくい魚がいるので覚えておくと便利です。
弱りやすい魚(回遊魚)
マイワシ・アジ・サバ・ブリ(ハマチ・イナダ・ツバス)・ヒラマサ・カンパチ・サワラ(サゴシ)・カツオ・マグロ・サケ・etc…
弱りにくい魚(定置魚)
マダイ・チヌ・スズキ(ハネ・セイゴ)・カサゴ・メバル・グレ・アコウetc…
なんとなくピンときたかもしれませんが、ざっくり言うと白身魚か、それ以外かです。
白身魚は基本的に待ち伏せをして捕食する定置魚といわれ、じっとしている事に慣れているので回遊魚ほど酸素を必要とせず弱りにくいです。
逆に青物を中心とした回遊魚は弱りやすく、死んだあとの痛み具合も白身魚に比べると早いので注意してください。
それでは魚を活かして保存しておくための道具を紹介していきます!
ストリンガー
スカリやバッカンに活かしておけないような大型魚(スズキ・真鯛・ヒラマサ等)の口につないで活かしておける非常に便利なアイテムです。
使い方さえ注意すれば、釣りが終わるまで魚を元気な状態で活かしておけます!
スカリを使用する上のポイントとして、できるかぎり1匹で活かしておく事をおススメします。
欲張って沢山の魚をストリンガーにつないでおくと、重さで引き上げれなくなってしまったり、いつの間にか魚どうしが絡まって死んでしまいます。
また外海に面した場所だと、苦労して釣った魚が岩やフジツボに絡まってしまいストリンガーごと切らなくてはいけなくなってしまう事もあります。
スカリ(ビク)
スカリは小型・中型の定置魚におススメです。
本体を水に沈めたまま追加の魚を入れる事ができるので、先に中に入れておいた魚にストレスを与える事なく釣れた魚を収納することができます。
スカリのメリットは温度変化や酸素不足の心配をしなくてもいいところ。
ただ、あまり釣りすぎて沢山入れすぎたり、スカリに対してサイズの大きい魚、回遊魚を入れるとストレスで死んでしまう事があるので注意してください。
また海面まで距離があったり波が高いと、魚が釣れるたびにスカリ引き上げる必要が出てきてしまい、扱いにくくなってしまうので注意してください。
活かしバケツ
カサゴやメバルといった根魚のように普段じっとしている魚は比較的、酸素不足・ストレスにも強いので、ちょっとした小魚を入れておくのに便利です。
こちらの商品は上部がメッシュになっているので、水の入れ替えがしやすく、こまめに水を変えることで水温上昇や酸欠を防ぎ長時間魚を活かしておく事ができます。
短時間の釣行や、ライトゲームにおススメです。
キーパーバッカン
キーパーバッカンはエアーポンプを装着して活かしておけます。
活かしバッカンの殆どが45cm以上と大型な物が多く、特徴としてエアーポンプを取り付けれるように専用のポケットと穴があけてあります。
エアーポンプでバッカン内に水の流れを作り、酸素を循環させることで長時間生かしたまま保存しておけます。
キーパーバッカンで注意が必要なのは温度の上昇です。
前途しましたが、魚は水温の上昇に非常に弱いので夏場は時折凍らせたペットボトルや保冷剤を投入して温度の上昇を防ぎましょう。
〆て保存する
釣れた魚を生かしておかなくても〆た後の保存方法が良ければ充分鮮度を保ったまま持ち帰る事ができます♪
※〆かたも野締め・活締めなど、色々な方法があります。
エラと内臓を取ってしまえば比較的傷みにくくなります。
〆たあとは最適な方法で保存しておきましょう。
クーラーボックス
- シマノ
- ダイワ
氷は細かく砕いてある氷ほど早く溶けてしまいます、なるべく表面積の大きな氷を準備しておくと氷が長持ちします。
ペ個人的にはットボトルに水を入れ凍らせ、新聞紙に包んでクーラーボックスに放り込んでおくのがおススメ。
新聞紙に包むことでより溶けにくく、尚且つ魚に直接氷が触れる事がないので魚も傷みません。
またほとんどのクーラーボックスはボックス内に水を入れる事を想定し作られているので漁師がアジなどを〆る、氷締め(氷水に魚を入れるだけ)で保存する事ができます。
サビキ釣りでアジやサバなどを大量に釣る場合は氷水の入ったクーラーボックスに放りこんでいくだけでOKです。
クーラーボックスで注意して頂きたいのは、冷蔵庫と違いどんなに高価で高機能なクーラーボックスでも頻繁に開閉をしているとあっという間に温度が上昇してしまうので注意が必要です。
ドンゴロス
通常コーヒー豆を入れたりする麻袋ですが、釣り専用に作られた製品があります。
使い方は海水で濡らしたドンゴロスの中に〆た魚を入れるだけ。
水が蒸発する際の気化熱を利用して魚を冷やしておく物です。
かさばらないし、真夏でなければ岩陰なんかに置いておけば比較的適温で魚をキープすることができます。
安価で釣り用でないドンゴロスも売ってありますが、生地が薄いせいで乾きやすい上に強度も弱いので、購入されるのであればやはり釣り用のドンゴロスを購入しておきましょう。
発砲クーラーボックス
簡易的な発砲スチロール製のクーラーボックスです。
意外と優秀で、とにかく軽いので私も地磯に行く時に愛用しています。

夏場でも半日くらいならペットボトル氷を新聞紙に包んでおけば、氷が解けきらない保冷効果があります。
デメリットとしては発砲スチロールむき出しなので耐久性が非常に弱いです。
特に中身が重くなってしまうと、持ち手部分が壊れてしまいますので地磯などにもっていくときには↓のような背負子を使い、クーラーボックスとバッカンを一緒に背負うと便利ですよ♪
場所によって使い分けよう
いろいろな保存方法と道具を紹介してきましたが、場所によって使いやすい道具とそうではない道具があります。
続いて私が実際に魚釣りで使ってみた釣り場にあった道具のご紹介です!
漁港・堤防
足場がよく平らな場所がほとんどで、駐車場からも比較的歩きやすかったりするので活かしてキープするならキーパーバッカンがおススメ。
〆てキープするなら多少重くなりますが、保冷効果の高いクーラーボックスがおススメ。
地磯
地磯は釣り座までの距離や歩きやすさににもよりますが、地磯にクーラーボックスを持ち込むのはかなり大変だし危険です!
地磯で釣行の際は、釣り場では簡易的に保存しておき駐車場でクーラーボックスに入れ替えるのが良いと思います。
活かしてキープするなら、大型魚はストリンガー。
小型・中型魚はスカリがおススメ。
ご自身の行く磯の足場の高さや波に合わせて使いましょう。
スカリで対応できないような場所であればキーパーバッカンがおススメ。
比較的どんな場所にも持ち込む事ができます。
〆てキープするならかさばらずジャマにならないドンゴロスがイチオシ♪
発砲スチロールクーラーもおススメです。
沖磯
渡船で瀬渡しをしてもらうので、地磯のように歩く必要がないぶん荷物の持ち運びが楽です。地磯との違いは必然的に釣行時間が長くなったり、日陰のない場所しかなかったりするので、断然クーラーボックスがおススメです。
日帰りで行けるような沖磯に持ち込むクーラーボックスは20~35Lくらいまでで、それ以上大きくなってしまうと積み降ろしが大変になり船長に注意されてしまう事もあります。
20L
25L
35L
まとめ
今回は釣り場での魚のキープ方法の紹介でした!
個人的な主観で感想をまとめてしまうと釣り場ではご自身の用途に合わせてキーパーバッカンやドンゴロスを使っての常温保存、帰る時に車でクーラーボックスに移しかえ、魚を冷蔵保存で持ち帰るのが一番な気がします。
クーラーボックスを使用する時は、なるべく開け閉めを控え、温度が外に逃げないようにしましょう。
またクーラーボックス内を冷やす為の氷や保冷剤はできるだけ大き目の物を使い、タオルや新聞紙に包んでおくと溶けにくくなります!
魚の保存方法一つで魚の味が全く別物になりますので、みなさんも是非ご自身にあった保存方法を見つけて釣った魚を美味しく食べてみましょう!